being mindful

食、セミリタイア、いけばな、ヨガ、自転車

瞑想についてよくまとまった本に出会った

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いつもは1人で10分ほどの瞑想を座位や仰向けで行ってますが、先日のバリでの瞑想クラスを通して、さらに瞑想について学びたくなって手に取った本。

 

Kindleだと購入前に少しだけ中が読めるのだけど、それで夢中になって、1日で読んでしまった

 

興味深く読んだ点1.

瞑想と宗教の関係性。

 

日本人は仏教との繋がりが他宗教よりも深いために仏教に偏るところがあるけれど、イスラム教やキリスト教ユダヤ教などの一神教から、多神教であるヒンズー教、神のない仏教それぞれにおいて瞑想的な思想や修行がどれにもあるという点を根拠とともに分かりやすく説明してある。

 

バリ島にいる間、そのヒンズー教の寺の数の多さと人々の宗教心の高さを感じてました。インドネシアイスラム教教徒の多い国だけれど、バリ島は住民のほとんどがヒンズー教徒。

 

瞑想のレッスンでもヒンズー教マントラというお祈りの言葉を使って瞑想したりと、瞑想と宗教的なところを知りたくなったんですよね。

 

また、宗教と切り離して心理学や脳神経学的に瞑想の効果を語る点も興味深いです。

 

結論としては、様々な宗教で瞑想的な要素が取り込まれていて、それにより人間の心を育てようという試みがみられるということは、現代において宗教と切り離された形で瞑想とかマインドフルネス、ヨガの必要性が心理学的もしくは脳科学的にエビデンスを作りながら訴えられてきている現象と似ているということ。

 

人間は今も昔も本質的に変わっておらず、何千年もかけて進化してきた宗教の歴史に鑑みて、瞑想的アプローチが人間にとって必要だということが再確認されているのかもしれません。

 

 

興味深く読んだ点2.

4つのステップで瞑想方法を分かりやすく説明してある点。

 

バリの瞑想クラスで、いつもの瞑想とちがう経験をしたのだけど、あれは何だったのか説明しにくい…そんな気持ちからこの部分が私の経験を理論的にどんな状態だったのかを説明してくれました。

 

著者はこの4つの瞑想を段階的に会得するようすすめていました。

 

ゆるめる瞑想(サマタ瞑想)

みつめる瞑想(ヴィパッサナー瞑想

たかめる瞑想(慈悲の瞑想)

ゆだねる瞑想

 

私は今までカッコ内の瞑想方を別々にやっていたために、それらは別物と思っていたのですが、瞑想の段階と共に使い分けを理解できただけでなく、今回バリで経験したのは、ゆだねる瞑想の一部だったのではないかな〜という想像も出来ました。

 

参考として大下さんのワークショップから説明を以下に抜粋


"現代のストレス社会を生き抜くために、人間性を回復させるためのプログラムとして「ゆるめる瞑想(緩和・集中瞑想法;心身の緩和を目的とする)」「みつめる瞑想(観察・洞察瞑想法;自己や自己以外に起こっていることの観察・洞察を目的とする)」「たかめる瞑想(促進・生成瞑想法;心身機能の意図的向上を目的とする)」「ゆだねる瞑想(融合・統合瞑想法;超越的意識への融合を目的とする)」の4つの瞑想メソッドを開発し、臨床実践をしてきました。"

 

興味深く読んだ点3.

レジリエンスを育てる瞑想

 

レジリエンスという言葉、外資系の会社にお勤めの方は最近良く聞くのではないでしょうか。私の勤める会社もそう。日本語としては、回復力や折れない心などと訳されています。

 

イノベーションを起こして世界を変えようとする時、社内外の衝突は避けられません。なぜなら、今のまま変わらないでいたい反対派が必ずいるからです。

 

そんな組織や人との衝突が続く中で、ストレスは避けられません。避けようという努力をするのではなく、それを上手くかわしたりしなやかに対応したりして、やるべきことに集中し、成果を出す。そういう心、ようはレジリエンスを瞑想は養ってくれると感じます。高い集中力をもって、やるべきことを遂行する助けになる。

 

今回のバリ島滞在、なかなかいい刺激になっています。