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人間がエネルギーを得る仕組み

人間の細胞が作っているエネルギーについて。

 

人間の体はおよそ36兆個の細胞でできており、その7割を超える26兆個の細胞は赤血球

 

赤血球は嫌気性(酸素のいらない)解糖系によるエネルギー(ATP)産生しかできませんので、グルコースからしかエネルギー(ATP)を得られません。何故ならミトコンドリアを持たないために、クエン酸回路&電子伝達系を回すことはできません。そもそも赤血球は酸素を運ぶためにありますから、自分のエネルギー産生にクエン酸回路&電子伝達系を使うと酸素が必要となってしまい、他の細胞に届ける前に使っちゃうことになってしまうのです。

 

一方、赤血球以外の細胞は、ミトコンドリアを持つので、嫌気性解糖系に加えて、脂肪酸アミノ酸から作られたアセチルCoAをもととしたクエン酸回路を回すことが可能。このクエン酸回路及びその次に電子伝達系を回してエネルギーを得るには酸素が必要で、その酸素は赤血球が運んでくれます。

 

アセチルCoAの原料となる、脂肪酸は、食事由来のものが血液により細胞へ供給される。もう1つの原料であるアミノ酸は、食事由来または体由来(細胞を作り直す過程で出たもの)のものが血液により細胞へ供給される。

 

解糖系は1グルコースあたりATP2個に対して、クエン酸回路と電子伝達系では1アセチルCoAに対してATP36個を得ることが出来る。

 

人間に住み着いている細菌の代謝産物から得られるエネルギーについて

 

腸内細菌は、人間が消化できない食物繊維やオリゴ糖を発酵することでエネルギーを得ており、その産物として短鎖脂肪酸をつくります。これは大腸から吸収され、主に大腸上皮細胞と肝臓の細胞でエネルギー源としてクエン酸回路に回される。

 

以上、体がエネルギーを得る仕組みについてのメモでした。

 

関連事項として2つ。

1.がん細胞は解糖系主体でエネルギーを得ていますので、グルコースが主なエネルギー源です

 

2. 短鎖脂肪酸は主に大腸上皮細胞と肝臓で代謝されるが、体内で生理活性物質としても働くことがわかっていて、酵素活性などに影響を及ぼす。その1つとして、肥満予防などの効果があげられています。

 

3.赤血球たちの解糖系がちゃんと働くために必要なグルコース血中濃度は、食事由来のグルコースに依存することはないくらい低いです。糖質を取らなくても糖新生でまかなえます。